「太陽光発電」って何?
太陽電池を利用して、太陽光のエネルギーを直接電力に変える発電方法が「太陽光発電」です。

太陽電池に光が当たると、光によってできた電荷はn型・p型半導体の方へ引き寄せられます。そして電極に集められ、電流が外部回路へ流れます。
なぜ今、注目されているの?
「太陽光で発電した電気は高値で買い取ってもらえる」
このニュースは2012年春、広く報道されました。これをきっかけに太陽光発電に興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。
しかし太陽光発電が注目されている理由は「お得だから」だけではありません。
石油や石炭などの化石燃料は枯渇性燃料と呼ばれます。枯渇性とは文字通り「いつかは枯れ果ててなくなってしまう」という意味です。中でも私たちの生活に欠かせない石油はあと40年程でなくなってしまうと見られる、残り少ない資源です。
また、これら化石燃料を使用することで排出される二酸化炭素は「温室効果ガス」の一種であり、地球温暖化の原因の一つと考えられています。
いつかはなくなる枯渇性燃料とは違い、自然界には尽きることのないエネルギーが溢れています。太陽光、太陽熱、風力、地熱、水力…。
これら尽きることがなく、利用しても短期間に再生できるエネルギーを再生可能エネルギーと言います。
その中でもとりわけ太陽の光は膨大なエネルギーを持っています。
太陽光は、世界のエネルギー需要をまかない、化石燃料を使わないことで地球温暖化を抑える効果が期待されるエネルギーなのです。
その仕組みを家庭に導入し、
「自分の家で使う電気を自分の家で創る」
「たくさん電気を創り、使わなかった分を売る」
「原子力発電所や火力発電所が創る電気の割合を少しずつ減らしていく」
それが太陽光発電システムにできることです。
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日本国内での導入量
日本では2000年から2009年の間に導入量がおよそ8倍になっており、さらに2015年には日本全体で導入量が累計1000万キロワットに達すると見られています。

日本全体の一戸建て住宅の軒数は2,600万軒といわれており、そのうちの5%にあたる130万軒が太陽光発電システムを導入しているそうです。国によって“住宅”の定義は異なるため単純比較はしにくいですが、これは住宅用としては世界一の導入数です。
経産省は「2020年までに530万棟」という目標を立てているそう。太陽光発電は一時のブームではありません。
設置する機器
電気を「創る」「使う」「売る」、それが太陽光発電システムの機能です。

屋根に載せるもの・・・電気を「創る」
太陽電池パネル
太陽電池(セル)をいくつも並べて板状にしたものです。モジュールとも呼びます。
さらに、まとまった量の電力が得られるようにパネルを直列に並べた状態をストリング、それを並列に並べた状態をアレイと呼びます。
太陽光パネルを屋根に固定するために使う台座や枠のことを架台といいます。
屋根の上は雨、風、雪など非常に過酷な環境に非常にさらされています。そうした中で20年間発電し続ける太陽光パネルを支え続けるのです。
ボルト1本緩もうものなら、重大な事故に繋がる恐れがあります。地味で目立ちませんが、非常に重要な設備なのです。
屋内にあるもの・・・電気を「使う」
接続箱
パネルで発電した直流電流を統合し屋内に引き込み、パワーコンディショナに供給します。
パワーコンディショナ
太陽電池が発電した電気は直流です。ですが家庭で使える電気は交流なので、発電したそのままでは使えません。
直流を交流に変換する装置がパワーコンディショナです。
電力変換効率は、各メーカーとも90~95%となっています。
精密機器であるため、パネルよりも寿命は短いです。10年目に点検をし、変換効率がひどく低下している場合には、新しいものと交換する必要があります。
設置場所にも注意が必要です。脱衣所のような湿気がこもるところは向きません。パワーコンディショナーは微弱ながらノイズを発しているので、テレビやラジオなど電波を受信する機器が近くにあることもあまり好ましくありません。場所を移すか、アースの取り付けが必要です。
分電盤
パワーコンディショナーからの電力を建物内の電気機器などに分配します。太陽電池側と商用電源側、双方にブレーカーを設置しています。
エネルギーモニタ(発電モニタ)
太陽電池で発電した電力量などの状況や、電力会社との売り買い量などの確認ができる装置です。
屋外にあるもの・・・電気を「売る」
電力量計(メーター)
電力会社から買った電力量を計測する「買電用メーター」と、電力会社に売電した電力を記録するための「売電用メーター」の二つが必要です。
ページ公開…2012年6月 最終更新日…2015年7月28日(システム図のページを統合しました)